総評:
去年は2連覇を達成したがACL、天皇杯、リーグ杯、スーパー杯と悔しい経験も多いシーズンだった。そんな中2019年のチームの目標は4冠と表明した。その目標に向かって十分な戦力補強をした。即戦力としてダミアン、山村、マギーニョ、馬渡。去年加入のカイオも含めるとACLやカップ戦で効果的な身体的な高さや強さで押し込める人材を集めたと言えるだろう。2018年モデルでは相手の陣地に押し込んでも崩しの最後が小林しかおらず、点を取りきれない試合が多かった。特に3バックをベースにされるときに打破することができな試合が多かったがその時のオプションがドリブラーしかいなかったのも事実。今シーズンは色々なポジションに高さという武器を入れることができるので鬼木監督の手腕の見せ所でもある。すべてのタイトルを取りに行くということで、去年に比べ早い仕上がりを目指すことになりそうだ。連覇をしているこの2年間はシーズン後半にピークを持っていくチーム作りをして功を奏しているので、その調整を変えるのは大きなチャレンジと言えるだろう。ACLで好成績を残すとリーグで低迷する。そんな歴史を変えるような結果を期待したい。
チームへの期待:
リーグは言うまでもないがACLで過去最高の成績を残して欲しい。憲剛が日の丸をつけて外国勢と戦う姿を長く見たい。夏の外国チームとの試合もチーム構築中で行なったドルトムント戦のようにならないよう、完成された日本のチャンピオンとしての戦いがみたい。その結果、何人かが海外に行くことになっても仕方がないと思うがそのぐらい外国勢との試合を大事にしたい。
個人的に期待する選手:
・ダミアン
近年期待されながらパッとしない「大型FW、生粋のストライカー、背番号9」のロマン枠を埋める存在になって欲しい。(組織的な)守備に難があると思うが、そんなの気にならないぐらい点を取るという回答でも良い。小林とリーグ最強の矛を見せつけて欲しい。
・齋藤学
真価を問われる年である。川崎に来て能力高いと思わせたのはショートパスとクロスと気が利くポジショニングでありドリブルでは魅了していない。広大なスペースありきで輝くドリブルを長い間やってきたので、川崎で与えられるスペースでのドリブルへのアジャストに時間がかかっている印象。しかし2年目。怪我も癒えた。技術は嘘をつかない。リーグ屈指のドリブラーとしての力を見せつけて欲しい。
・奈良
谷口という強力なライバルでありお手本がいるので足元の技術とパスのセンスがものすごい勢いで成長している。1対1では外国人にも負けない強さを持っているので、繋げるファイターという覚醒に期待したい。
戦力分析
基本フォーメーション:4-2-3-1
FW:100点
リーグ最多得点の攻撃力をさらに高めるためにダミアンを獲得。使い方にもよるが山村もいる。小林だけだった得点源が複数になるだけでなく、戦術的にも幅が広がった。すべての選手が結果を求められる選手層。
MF:90点
山村の加入はあったが他は去年とほぼ同じ。ダミアン加入で小林が右サイドでの起用される事も増えそうで家長に競争意識を持たせる粋な補強だと思う。そして家長がトップ下に染み出す事を考えると2016-2018年MVP達による激しいポジション争いという夢の中盤である。気がかりなのは代表に呼ばれそうなボランチ2人の代わり。憲剛はさすがに厳しいので高さで戦えるカイオと田中の成長に期待。
DF:90点
中央と左サイドは問題ない。問題はエウソンのいない右サイド。秩序のある左サイドと違って、混沌を生む右サイドでもあるのでマギーニョも馬渡も苦労しそう。序盤はラルフや守田、MJで回すかもしれない。右サイドを家長でなく小林にする事で徐々に慣れせていく方法もある。新生右サイドがどう育つのか楽しみ。
監督:100点
守備は計画通り今年完成に近づくだろう。問題は攻撃だ。前からのプレスと攻守の切り替えの早さによるカウンターの速攻は板についたが、ボールを保持する遅攻による得点は減少。結果引きこもり系5バックにまったく勝てなくなってしまった。去年から試している後ろからのつなぎの変化と前線の人材の多様化により戦術の幅は大きく広がった。鬼木監督の攻撃の引き出しがどこまであるのか試される3年目となるだろう。
個別
GK | |||
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背番号 | 名前 | 期待 | 短評 |
1 | チョン・ソンリョン | エース | 圧倒的な存在感とシュートストップ。繋ぐサッカーの進化を体現できるか。 |
21 | 新井 章太 | レギュラー | 縁の下の力持ちな2nd GK。今年は足元の技術を武器にスタメン奪取に挑戦。凡ミスを減らす事が大事。 |
23 | 藤嶋 栄介 | 控え | 新加入の元気印。相当な覚悟でやってきたと思うが分厚い壁に挑めるか。まずは新井の壁に挑戦。 |
24 | 安藤 駿介 | 控え | 出場した試合ではそつのない出来を見せるが全体的に物足りない。レギュラー争いに絡んで欲しい。 |
DF | |||
背番号 | 名前 | 期待 | 短評 |
2 | 登里 享平 | レギュラー | 本当はエース級の期待をしたいが、安定して試合に出続ける事を目指して欲しい。戦術理解度と表現力ではチーム屈指。 |
3 | 奈良 竜樹 | エース | 去年の成長曲線を維持すれば日本代表に呼ばれてもおかしくない。1対1と強気のラインコントロールをACLでもみせて欲しい。 |
4 | ジェジエウ | レギュラー | 未知数。まずはチームに馴染むところから。 |
5 | 谷口 彰悟 | エース | 現代サッカーのDFに必要な能力を高い次元で装備しているが1対1の弱さとハイボールへの対応は改善が必要。代表に行って欲しい。 |
7 | 車屋 紳太郎 | エース | CBとしてはエース級、SBとしてはレギュラー級。身体能力的にはSBで活躍して欲しいが戦術理解度とプレーの幅を増やして欲しい。 |
17 | 馬渡 和彰 | レギュラー | エウソンの後継者候補。まずはチームに馴染むことと守る事と運ぶ事ができれば。イケメン。 |
26 | マギーニョ | レギュラー | エウソンの後継者候補。助っ人外国人なのでどんなプレーヤーなのかを印象付けるデビューを飾って欲しい。イケメン。 |
29 | 舞行龍ジェームズ | レギュラー | 去年は年間通してソツのないプレーを披露したが、自分の特徴をもっと出して欲しい。 |
MF | |||
背番号 | 名前 | 期待 | 短評 |
6 | 守田 英正 | エース | 去年のルーキーは今年のエース。全体的に荒い部分はあるが試合ごとに修正していく成長株。いつ海外に行ってもおかしくないので、常に最後の試合のつもりで観戦する。 |
8 | 阿部 浩之 | エース | 去年は不発に終わったラスカル。二桁得点をあげる事がノルマ。出る試合全得点ぐらいの気持ちで結果にこだわるシーズン。不動のレギュラーでおかしくない。 |
10 | 大島 僚太 | エース | 前に出る意識が出始めた10番。得点に絡む数字を二桁に載せる必要がある。守備を頑張りすぎる部分をうまくチームで補完するコーチングできれば一皮剥けそう。 |
14 | 中村 憲剛 | エース | 仙人。言う事ない。今年もよろしくお願いいたします。 |
16 | 長谷川 竜也 | レギュラー | 齋藤との熾烈な枠争いをするドリブラー。運ぶドリブルはリーグ屈指。守備の改善をすればスタメンも間違いない。 |
19 | 齋藤 学 | レギュラー | 真価を問われる2年目。個人的にはもっとエゴイスティックなプレーをして良いと思う。自分の武器を存分に解き放ってくれ。 |
22 | 下田 北斗 | レギュラー | 川崎に来て順調に成長するレフティー。守備もボールの受け方も問題ない。あとは90分間続けられる力。 |
25 | 田中 碧 | レギュラー | 想像を超える成長をみせた期待の星。現実的な成長戦略を描けているのが良い。今年はどこまで伸びるか。 |
27 | 鈴木 雄斗 | レギュラー | 試合のクローザーとしての役割を与えられた去年。今年はスタメンを目指して攻守にレベルアップが必要。切り替えの速さが求められる。 |
28 | 脇坂 泰斗 | 控え | 不甲斐なかった1年目。技術的には問題ないのでメンタル面の強化を。 |
31 | 原田 虹輝 | 控え | 高卒ルーキー。ファンタジスタを目指すがまずはプロのレベルに慣れるところから。リーグ屈指のプロレベルなので心が折れないように。 |
34 | 山村 和也 | レギュラー | 実績的にはエース級の活躍を期待したいがメンバー的に複数のポジションの控え扱いだろう。試合終盤での様々なシチュエーションで起用されそうなのでそこで結果を出せるか。 |
41 | 家長 昭博 | エース | 2018 MVP様。組織的なプレーを圧倒的な個の力でねじ伏せる監督なら扱いにくい天才。今年の右サイドは不安定なので守備サボりは少なめに存分にらしさをみせて欲しい。 |
44 | カイオ・セザール | 控え | 去年一度も試合に絡めなかった悔しさを胸に準備をしてきた男。川崎のサッカーにもなれ強みを出せるようになってきた。まずは出場を目指す。 |
FW | |||
背番号 | 名前 | 期待 | 短評 |
9 | レアンドロ・ダミアン | エース | 五輪得点王、元セレソンの肩書き通りの活躍を期待。得点だけでなく小林とのコンビにも期待。課題は守備のタスク。まずはACLでお試しか。モノが違うところがみたいロマン枠。 |
11 | 小林 悠 | エース | 2017 MVP様。去年の成績には納得いっていないはず。最多得点は当然としてチームとして80点を目指して欲しい。 |
20 | 知念 慶 | レギュラー | 確かな成長をみせるが今年はスタメンの壁は厚い。腐らず準備をして欲しい。アウェーでの強さをホームでもみせたらチーム内競争がより活性化する。 |
30 | 宮代 大聖 | 控え | 高速ルーキー。得点だけなら下部組織最高傑作。川崎の大砲となるべくまずはプロのレベルに馴染むところから。 |
参考:
Frontale 2018年総括
Frontale 2018年展望
Frontale 2017年総括
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