【サッカー】ルヴァン杯決勝 2019/10/26 北海道コンサドーレ札幌 埼玉スタジアム2002

結果:苦しみ抜いた初戴冠 3-3 (PK 5-4)

得点:阿部、小林、小林

警告:家長

退場:谷口

遷移:0-1 -> 1-1 -> 2-1 -> 2-2 -> 2-3 -> 3-3

評価:95点

公式記録

トラッキングデータ

レビュー

3-4-2-1の札幌と4-2-3-1の川崎。自分達のスタイルで初タイトルを目指す。ワントップにボールを蹴り込む立ち上がりは様子見。ボールが落ち着いてからは川崎が繋いで攻め、札幌がカウンターでやり返すの応酬。先手を取ったのは札幌。失点後も折れる事なく攻撃を繰り出す。家長が欲しいタイミングで貰えず、ボランチも横並びになり攻撃にリズムが出ない。それでもCKから阿部が決めてルヴァン決勝初得点。後半になって家長にうまくボールが入り始めると川崎ペースに。前半から甘かった札幌のボランチ周りの守備をつく川崎ボランチ陣。縦関係からチャンスを作り出すものゴール奪えず。憲剛、小林と2年前の悔しさを知る選手を投入し、何としてでも点をとりに行く姿勢を見せる。88分に大島の上手いパスから小林が抜け出し勝ち越し。これで決まりと思ったがラストワンプレーのCKから失点し延長戦へ。延長戦ではVAR介入によるレッドカードで谷口退場からの福森にFK決められ追い込まれる。マギーニョ長谷川の走れる選手が攻守にハードワークした事で10人でも攻め続けた川崎はCKから小林が押し込みPK戦へ。PK戦は川崎エンド。小林、山村、憲剛と決めるが4人目の車屋がはずしてしまう。5人目家長が決め、あとはGK新井。新井は冷静に止めてサドンデスへ。6人目長谷川が決めた所で新井コールの大合唱。新井はここでしっかり止めて初優勝。苦しみ抜いた死闘を制し、5度目の挑戦で初戴冠。歴史に残る名勝負だった。

ピックアップ

・攻撃的なチームスタイルのぶつかり合い

攻撃的な両チームのぶつかり合いとなったこの試合。川崎は「攻撃志向過ぎるのでタイトルが取れない」と思われていたが、実はリーグ屈指のシルバーコレクターがもう1人いる。チームでは無く個人。それがペトロビッチ監督、通称ミシャだ。ルヴァン杯が終わった時点での成績が

リーグ、リーグ杯、天皇杯の成績
川崎:J1歴、通算16年
 優勝3回、準優勝8回、3位3回

ミシャ:J1歴、通算13年
 優勝1回、準優勝7回、3位2回

という感じ。魅力的な攻撃的なサッカーを目指すチームはこうなるのか…って思うような成績。(因みに広島では後任のポイチ監督が守備を構築してリーグ3回優勝、浦和では途中解任された後、バランス修正されACL制覇をしているあたりが、風間時代の攻撃偏重後に守備を構築した鬼木監督が3年連続タイトル獲ってるのも興味深い)。そんなミシャとの対戦はいつも面白い。スタイルがあるチームは全部面白いがやるならやっぱり殴り合いが盛り上がる。この試合も構図としてはボールを保持して多彩に攻める川崎とカウンターを狙う札幌となったが、札幌は守りありきでカウンターでは無く、カウンターありきで守備をしていたのでボールを奪ってから攻撃するのがスムースだった。逆にバイタルの守備が脆かったのがカップ戦決勝とは思えないシュートの打ち合いになった(前半だけで川崎14本、札幌7本、最終的に川崎23本、札幌15本)。

そんな試合であったが前半は上手く攻めれていなかった。真ん中にパワーをかける相手に悪い形で奪われ、そのまま走力を活かしたカウンターを面白いように食らっていた。それでもチャナには碧が対応し、ジェイには山村がうまく対応していた。前半に関しては車屋谷口のところを武蔵と白井と荒野のトライアングルに嵌めれたのが厳しかった。白井は欲しくなっちゃうぐらい車屋を苦しめ、武蔵のランは谷口と車屋の判断を惑わす場所をしっかり走っていた。後半になって改善された訳では無いが攻勢に出る時間が長くなった事で相手を押し込み危険な時間を減らす事に成功した(ので鬼さんの考えとしては成功か)。攻撃が上手くいかなかったのは家長を活かせなかったからだろう。最近の試合でも不満を露わにする時があるぐらい家長はフリーでボールを待っている。そこに出せるのが山村と大島ぐらいなのがイライラの原因だろう。後半は家長に良いタイミングでボールが入るようになったので相手コートに押し込む事が出来る様になった。(そう考えるとエウソンは攻撃のタイミングが家長と合っていたんだろう。ノボリは頑張っているが右サイドだとドリブルもクロスも選択肢が減る分家長を引き出しきれない印象がある)

家長起点だけだったところに攻撃のアクセントをつけるために憲剛、小林を入れて川崎らしい崩しで点をとったのは素晴らしかった。

延長戦で切ったカードが長谷川とマギーニョというのが実に鬼さんらしい攻撃志向なところがみれて良い交代だった。マギは連携面に不安があり実際パスミスからカウンターも食らっていたが、それでも果敢に攻撃を繰り出し、ピッチを駆けずり回ったのは長谷川と共にチームに推進力をうみ、小林の同点弾に繋がった。数字には残らないがナイスプレーな2人だった。

あと、今後川崎はおそらく4-2-3-1で行くだろう。アジアでは分からないが4-4-2のPlan Bは勝点は稼げるけど魅力的なやりたいサッカーが出来ないから。そんな事を感じる試合運びであった。

・感情と感想の文章

2017年の埼スタは地獄だった。ACLでの悪夢の敗退(車屋退場したな…)、そしてルヴァン決勝での敗戦。もう行きたく無いと思っていたが、その年に勧誘したフロサポ新入生がアウェイ浦和を体験したいというので渋々行った。心はボロボロ。帰宅の記憶が無い試合はもう嫌だと思っていたが、枠内シュートが2本しか打てない厳しい内容ながら谷口家長小林で作ったワンチャンを決めて勝った。この勝利で優勝に繋がった。そんな印象で終わったのが2017年埼スタ。2018年は初めてのスーパーカップでルヴァンに続いてセレッソに負けた埼スタ。

そして迎えた2019年埼スタ。4冠を掲げて臨んだシーズンはACLを失意のグループリーグ敗退、天皇杯では神戸に完敗、リーグはACL圏から外れるという状態。そんな中でルヴァン決勝に来れた。良い思いの少ない埼スタだけど、これはいかねばならぬと思った。良い予感は何も無かった。正直選手よりチームより自分が一番ナーバスだったと思う。だけど試合開始ですぐに思った。選手は良いメンタルで臨んでると。2017年のどこかミスしてはいけない空気は無く、自分達のサッカースタイルをやるんだ!という意志を強く感じた。相手は攻撃的なミシャ、札幌は初タイトルがかかっているというのもゲームを面白いものにした。あんな筋書きはドラマと思えるような展開だったし、流石に谷口退場からの福森のFKは心が折れかけた。だけど諦めない選手達をみて大きな声で応援した。イケる!という空気を作れるのはサポだけだ。だから辛い時こそ声を出す。するとみんなのヒーローアンパンマンのゴールで追いついた。ハッキリ言って座ってた席からは何がなんだか分かんなかったが、過去最高に興奮したかもしれない。1人少ない仙台戦の逆転弾を超えたかもしれない。キャプテンはキャプテンだった。そうして掴んだPK戦。小林が気合満点で決める。山村はシレッと決める。流石対川崎の埼スタで活躍した男だ。余裕すら感じた。そして我らが憲剛。試合中に憲剛にもう準優勝は見せたくないと思っていたので、ここまで来たら絶対優勝して欲しいと強く願った。もはや仙人である彼は冷静に決めた。その後サポーターを煽りに煽った。流石憲剛。空気を作れ!とサポに指示してくれた。そして新井に声をかけに行くあたりがベテランの味。盛り上がったゴール裏の前で車屋がPKを外す。自分のアイドルであるロベルトバッジオの有名な言葉「PKを外せるのはPKを蹴る勇気のあるものだけだ」をちょうど前日に友人に話をしていたのもあって車屋にも称賛の拍手をした。相手が決め後のない5人目。キッカーは家長。一番安心感のある男は落ち着いて決めた後に信じられない事にサポを煽った。嬉しかった。ユースの時から家長をみてて、川崎に来た時は信じられなかった。ユニにサイン貰いに行ったらとても丁寧に優しく対応してくれたので一気に好きになり、印象も変わったが、まさか煽るとは思わなかった。サポの力を家長が求めるなんて。新井のチャントは声が大きかった。そして見事に新井はPKを止めた。神かと思った。最近は嘉人の付き人的なほうが注目されるような雑草は腐る事なく真摯にサッカーに向き合ったからこのプレーが出来るんだと思った。本当に神かと思った。秩父の神。この空気の中でキッカーは長谷川。長谷川はキュートなルックスからハムスターズと言われているが、インタビューから感じる男臭い男感。真の強い男を感じていたが、あそこで上を打ち抜ける胆力があるとは恐れ入った。長谷川キュンって感じだからってキュンとか言っててゴメン。これからはキュンって呼ぶよ。こうなると後は秩父の神の出番。恐らく一番大きな新井コールだったと思う。この試合1番の大声援の中、秩父の神はフロンターレの神となり、華麗にトライを決めて見せた。後で読んだら意味が分からないだろうけど、この文章はそういう文章だ。気にしない。その後は幸せな時間が流れ過ぎてて記憶が曖昧だ。埼スタは遠かったのは覚えているが。

この試合は最初から最期まで選手とサポが一体になれたように思う。相変わらず声が出ない時間もあったが、憲剛がCKを蹴る時に煽らなくても煽られた時ぐらいの声が出てた。みんな憲剛にタイトル取らせたいんだって伝わる声量だった。そんな憲剛が勝利後に泣かなかったのは小林が凄い顔してたからって言ってた。確かに新井がトライを決めた後にすごい勢いでサポの前に来て喜びを爆発させていたのは小林だった。昔は胸トラップがやたら上手い勢いある若者だったので、胸トラ王子と心で呼んでて、その後アンパンマン→アンパンとなりキャプテンとなってからはキリッとした顔が増えたので食パンとか呼んでたけど最近はもっばらパンと呼んでゴメン。これからもパンって呼ぶよ。この試合の心のMVPはパン。偉大なるパン。アンのパン祭りしたほうがいいよ!って思うぐらいのパンだった。そんなパンは試合後憲剛が言うだけあって大泣きしてた。バタ子さんいたら顔交換案件だと思うぐらい泣いてた。その顔見て当然のように泣いた。実際いつから泣いたのか分からないし、なんなら試合中から泣いてた。それだけ心を揺さぶる試合だった。現場では分からなかったけど、動画で涙を拭う鬼さんをみてまた泣いた。4冠を掲げてこの現状。辛いメンタルだろうけど、ここ出た言葉が「選手が頑張ってくれた」なのが愛される証拠だろう。鬼さんグッズをいい加減作った方がいいぞ。ホント。おにぎり握らしてる場合じゃないんだ。

もう何書いてるか分からなくなってきたから、ここらで打ち切ろう。目指せJ1のビブスを着て応援してたぐらいからの付き合いとなったこのチームが結果を残しているのは本当に嬉しいが、何より嬉しいのはフロンターレが纏う空気が変わらない事。これから研究されより辛くなるだろう。それでも大きな声で応援し続ける。だって選手が求めてくれているから。

スタジアムの空気を変えられるのはサポーターの特権なんだ。

ライブ

15分

3-4-2-1の札幌と4-2-3-1の川崎。立ち上がりは両チームともワントップにボールを蹴って様子見。川崎は基本ダミアン狙いだが家長と大島がアクセント。攻撃のアイデアは脇坂。悪くない攻撃。サイドで優位に立てた代償で中がパワー負け気味の所で厚みのある攻撃を受け失点。悪くない。 #frontale

30分

失点後は勇気を持ってリスクをとって攻撃に出る川崎。強烈なカウンターくらいながらも折れる事なく押し込む。決定機も作れているが枠にシュートがいかない。攻めのリズムは悪くないが決めきりたい。左サイドの攻撃を活性化させたい。 右は家長を活かしたい。継続と結果。 #frontale

45分

相変わらず家長と登里のイメージがあって無さそうで家長が活かしきれない。リスク管理の為かボランチが横並びとなる時間が増え攻撃の厚みが薄くなり縦パスも減る。何度かサイドからチャンスを作るも決めきれず。しかし終了間際のCKから阿部ゴールで同点。決勝初ゴール。後は勝つのみ。 #frontale

60分

後半から両チーム右サイドを狙う。札幌の攻めは阿部車屋が対応し勢いを作らせない。川崎は家長のタイミングでボールが出始め家長が攻撃を活性化。決定機あるも脇坂決めきれず。前からプレスも決まり川崎の流れ。点が欲しい。 #frontale

75分

引き続き家長中心に攻める川崎。流れはあるが札幌もしっかり守る。膠着状態を打開する為に憲剛投入。家長一辺倒だった攻撃に変化が出るもなかなか状況変わらず。悪くないが決定機不足。小林も入って2年前悔しかった攻撃陣の奮起に期待。ミスは減らそう。 #frontale

90分

パワーを使って攻めに出る札幌に押し込まれる時間。全体的に疲労が目立つ。決定機作られるもの新井の勇気ある飛び出しで守り切る。攻めたい川崎は大島のパスに抜け出した小林が冷静に決めて逆転。そのまま行くかと思った終了間際のCKで失点。延長戦へ。あの空気でアバンテは無いな。 #frontale

105分

疲労が見える中、鬼さんはドリブラー長谷川という攻撃的な選択。果敢に攻めるが守備を崩せない。すると疲労が見えるボランチコンビがチャナティップについていけず結果谷口退場。そしてFKを決められ再逆転。マギを入れて形を整え攻撃は続く。諦めない。 #frontale

120分

数的不利でも勇気を持ってパンチを出し続ける川崎。もぎ取った憲剛のCKから最後は小林が決めて同点。その後も受けに回る事なく長谷川、マギーニョ、家長が攻撃意識を見せ続ける。最後は押し込まれるも死力を尽くして守りきった。いざPK戦。 #frontale

PK戦

○ 小林
○ 山村
○ 憲剛
× 車屋
○ 家長
○ 長谷川

新井が2連続ストップで勝ち!戴冠!

プレビュー

前回対戦では4-4-2で攻め手に欠いたが、大一番では4-2-3-1を採用。トップダミアンと脇坂の縦関係は期待しかない。後ろを支える大島と碧とのトライアングルで脇坂がどんな攻撃を見せてくれるか。ベンチに小林と憲剛がいるのも流れを変えるには十分な陣容。スタメン、ベンチとも決戦にふさわしいメンバーと言える。阿部が復帰した事も大きく辛い時間も耐え凌ぐ事ができそう。何よりここで奈良をベンチに入れるあたりが熱い。怪我離脱から復帰を札幌にしたのはチームの士気が高まるだろう。

攻撃的なチームと言われて続けて早何年。しかしルヴァン決勝で得点した事が無い現実。力むでも入れ込むでもなく自信を持って熱く冷静に存分に川崎サッカーを展開して欲しい。今日が戴冠の時。

参考:
【サッカー】リーグ15節 vs コンサドーレ札幌 2019/06/14 等々力陸上競技場
【サッカー】リーグ26節 vs コンサドーレ札幌 2018/09/15 等々力陸上競技場
【サッカー】リーグ16節 vs コンサドーレ札幌 2018/07/18 札幌厚別公園競技場

投稿者:

r812

川崎在住のソフトウェアエンジニア。 自然と映画とサッカーをこよなく愛す。 サッカーフロンターレを熱く応援しています。

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