【サッカー】リーグ3節 vs 横浜FM 2019/03/10 日産スタジアム

結果:勿体無い引き分け 2-2

得点:ダミアン、ダミアン

警告:家長

退場:無し

遷移:1-0 -> 1-1 -> 2-1 -> 2-2

勝点:2 -> 3 (気持ち勝点 4 -> 7)

評価:75点

公式記録

レビュー

ボールを握って相手コートに押し込むサッカーを目指す攻撃的なチームの戦いとなった神奈川ダービー。今まではヤンチャに攻める川崎と冷静にかわす横浜の構図となり互いの持ち味を消し合う塩試合になりがちなカードだったが、守備意識を高めて2連覇中の川崎とシティーグループになりポジショナルプレーを用いた攻撃的な横浜という今までとは全く違うテイストの試合に。ハイラインハイプレスの両チームの戦いは中盤の狭いエリアでの激しい戦いとなった。なお先発予定の大島がアップ中にハムストリングに違和感を訴え急遽田中が先発することになった。

今シーズン上手に攻めれていない川崎は4-4-2、横浜はいつも通りの4-1-2-3の形。前半立ち上がりから強引に流れを持って行こうと激しいプレスをしかける横浜だが川崎は冷静に対応。前に来る相手には裏を狙おうという基本的な考えのもと、焦る事なく食いつかせてから裏を狙うという作業を淡々とこなしていた。守備でGKから繋いでくるところで喜田に対してボールを奪う作戦を徹底し、序盤にダミアン知念がコースを消したところを田中がインターセプトし、そのままダミアンにスルーパス。ダミアンうまく決めて先制。知念とダミアンの成長と田中の冷静さが光るいい立ち上がり。それでも気落ちしない横浜は前への姿勢を崩さない。前に来る圧力をいなしていたが、ソンリョンの中途半端なロングボールからあっさり失点。GKのつなぐ姿勢では完敗した瞬間だった。

後半も前半と同じ構図で試合は進む。前半からティーラトンとジュニオールの執拗なタックルにイライラする家長に不満がたまる中、徐々に横浜ペースに。両チームとも疲れて精度が落ち始めたところで家長に代えて小林、ノボリに代えて長谷川を投入し、流れを引き戻しにかかる。長谷川の効果的なクロスから何度かチャンスを作る。ゲームを作れなかった守田に代えて憲剛投入。オープンな展開となるなか憲剛らしさはみられないかと思ったが、抜群のポジショニングとプレービジョンからゲームを作る。憲剛から長谷川の足元に優しいパスが通り、長谷川のクロスを小林が折り返しダミアン2ゴール。これで勝ったかと思ったが、最後受けに回ってラストワンプレーで失点。

勿体無い試合であったが、急遽先発起用も堂々とプレーした田中、守備の改善に加え能力の高さを見せ始めたダミアン、成長を感じる知念と今後につながる選手たちの活躍も多く見られたゲームだった。神奈川ダービーで一番楽しい試合だったと思うぐらい白熱したレベルの高い試合を見れて満足。簡単なミスがきっちり失点につながった事は大いに反省して勝点3が必要なACLを迎えたい。

ピックアップ

・効果的な横浜のサイドの崩し

何度も食らったサイドの崩し。あれだけ再現性があるという事は相手の狙い通りであり、こちらが対応できていなかったという事である。天野&ジュニオールの左サイドと大津&仲川の右サイド両方とも突破されたが、左はジュニオールがサイドに開いた所に天野が上がり、右は大津が開いた所に仲川が上がるという左右非対称ながら形は同じもの。この動きに4バック+2ボランチが上手く対応できず相手にチャンスを作られ続けた。個人的に気になったのは天野の上がるシーンの守備。完全に設計されたプレーであるが、ボールの出しどころであるティーラトンに対する家長の守備の怠慢が生んだものも多く、鹿島戦でのダミアンが縦を切れずに内田&伊藤にやられたのを思い出した。やられたのは最終ラインのように見えるが、組織全体で仕込んでいる戦術に対して、どこかがサボるとやられる典型的なケースなので、イライラしてても集中して頑張って欲しい。

・田中と守田のボランチコンビ

明暗が分かれたというか田中のいい所と守田の課題が目立った試合だった。相手のGKからワンボランチに繋ぐところを積極的に狙い成果が出た。その後も積極的に飛び出しハイラインの裏を突く形を何度も演出。ただ上下運動が多すぎて疲労困憊になったのはやりすぎか。ペース配分を期待したところだが若いコンビなのでそこまでは求められない。現状では十分合格点の出来。この部分は良かったが大島というプレーメーカーが急遽不在となったなかゲームを作る役割を守田がやるはずだったが、さすがに荷が重かった。他のチームならまだしもハイラインハイプレスの横浜相手だと、ボールを納めてパスを出すので精一杯。効果的な場所を探す暇も余裕もなく、来たボールを捌くだけになってしまった。後半は頭も体も疲れたかミスが目立ち始め憲剛に交代。その憲剛が短時間で見事にゲームを作ったのが対照的だった。とはいえ、この試合を見る限りは家長が攻撃の全権を握り自由気ままにピッチ上を移動していたので、守田としては自分がどこまでやるのかの判断も難しいかったとも思うが、守田がまた伸びそうな課題を示せたので今後が楽しみである。一方の田中は急遽決まったとは思えない堂々としたプレーを披露し、アシストも決めて見せた。田中はプレー精度が高く受け手に優しいパス、スペースも人も守れる守備力、ボールを収められる技術、とアカデミー出身だけあって技術と判断がしっかりしている印象。見るたびに成長しておりU23に呼んで欲しいと切に思う。

・ダミアンと知念の2 Top

2ゴールのダミアンはシュート良し、駆け引き良し、クロス良し、展開良し、そして守備の大幅な改善とその能力の高さを見せつける試合となった。いつもよりスペースのある2トップがいい感じである。川崎に慣れるまではこの形を継続でもいい気がする。

知念は狭い所での動きが抜群に上手くなっている。どの状態からでもゴールを向けるのとシュート態勢に入れるのは強力な武器。パワーもあるし気持ちも強いが、どちらかというとダミアンと同じタイプなので同時出場だとゴールをするのが難しいかもしれない。逆にいうとダミアンのプレーを盗む事で1年で大化けする可能性を秘めている。そういう意味での同時起用かもしれないが、どんなにいい動きをしてもFWはやっぱり点をとってなんぼ。結果を出してさらなる飛躍を見せてほしい。

ちなみにダミアンのコンビとしては縦関係で攻撃重視なら長谷川か齋藤、バランス型なら阿部を配置したスタイルを見てみたい。知念とのコンビだとパワーという点は強力だが攻撃の幅が狭い。

・奈良と谷口のCBコンビ

去年はそれほど成長を感じず挑戦している姿が目立った谷口だが、去年の挑戦の結果が出始めている。1対1の弱さについては大幅に改善されており、奈良と一緒に出ている意味があるという感じ。そして今シーズンは縦につける攻撃の起点としての意識の高さと技術の高さが目立つ。守備では主役だったが、攻撃でも主役になろうとしている万能谷口。日本代表に呼んでもらいたい。

クリーンなプレーを信条とする正統派ヒーロー谷口と正反対な勝つためにはなんでもやるダーティーな部分もある奈良。ギリギリの駆け引きで相手が嫌がる姿は谷口とのコンビでより光るものがある。そんな奈良はまだ調子がいいとは言えないが、谷口と同じく縦へのパスが光っている。去年まではそこまで良いパスではなかったが今シーズンは奈良からSHやFWへの展開がとても良い。

両CBがこの精度のパスを出せるのが、シーズン後半になるにつれてジワジワと効いてくる。対策を練れば練るほど後ろの選手のビルドアップ力の違いが出るからだ。どんなユニットに育つのか楽しみでしょうがない。

・1点目のポイント

相手GKからボランチへのパスを田中がカットして、そのままパスしてダミアンが決めた1点目。ポイントはGKにボールが戻った時に知念が相手CBとGKの間にコースを限定するプレスをしっかりかけた事と、そこに呼応するようにダミアンがもう1人のCBへのパスコースを切った事だろう。来日当初だとここでGKにプレスに行っていた可能性もあり、それだとあっさり繋がれていただけに、このプレーだけで成長を感じてしまった。スカウティングもあったと思うがきっちりやれたのは自信につながる。このまま化物クラスの力を存分に発揮してほしい。

・2点目のポイント

守田からのパスが受け手の意図と合わずリズムが作れない中、憲剛投入。その憲剛は長谷川にそこで受け手クロスを出せというパスを供給し、丁寧なクロスから得点が生まれた。ファーで受けるのが好きな小林とダミアンが両サイドにいて真ん中に知念という3トップにシンプルな角度のあるクロスを上げる事の効果をはっきりと示した。この形はこの試合で何度か生まれており、繋ぎすぎな傾向のある攻撃への一つのオプションとなるだろう。小林に代えてラルフでも機能しそうであるのが選手起用に幅が生まれて良いと思う。

・1失点目のポイント

華麗にサイドを突破された失点だが、個人的にはソンリョンのプレーが問題だと思う。相手が川崎ゴールに向かって5人来ているのに対して、「きっちり守っていざ前へ」と動き出した場面なので、うっかり相手ボールになると守備が後手になるのは目に見えている。別にロングボールを蹴る必要はなく、サイドに展開していたCBに繋いでおくか、もっと取られない場所に蹴るべきだったが、残念だがボールはダイレクトに相手選手のもとに。繋ぐ事が求められる近年のGKにおいてここは成長して欲しいところ。川崎にきて改善はしているがまだまだ。この点では新井のほうが上手。

・2失点目のポイント

最後に競り負けた田中がションボリしているが11km走って足もつりそうな状態でサイズのミスマッチを突かれた選手を責めるのは酷。問題はリードしてアディショナルタイムを迎えた時に受け身になったところ。なぜかボールを手放してしまう長谷川や周りが後ろ重心なのに1人で前からハメに行こうとして穴を開けた小林など、チームとして最後どうするのかが全く決まっていなかった。等々力劇場を散々演じてきた川崎なので、リスクをとって攻めてくる攻撃が得意なチームに受け身になったら失点するのは散々わかっているにそこを選択してしまったのは残念の一言。小林が家長の仕事をしてくれたら。長谷川が阿部の判断をしてくれたら。手本となる選手が同じチームにいる事を幸いと思って成長して欲しい結末だった。

ライブ

プレビュー

攻撃的なリスクをとる川崎とリスク管理をしっかりしてゲームを作る横浜。そんな時代は過去の事、今はリスクをとって攻める横浜とリスク管理重視の守備の良い川崎の構図。配置を大事にしながら攻撃的なスタイルに変貌中の横浜は開幕2連勝。一方の川崎は新戦力のフィットと攻撃の進化を模索中で2分けで流れからは無得点。

今節では連戦というものあり、憲剛と小林はお休みでダミアン知念のツートップ。今シーズン初のツートップ。ワントップと比べてFWの人数が多いので負荷が下がるのとタスクが攻撃寄りのシンプルなものにできるのでダミアンには有効な気がする。阿部が怪我で不在なのは悲しいが、代わりのノボリに期待したいところ。控えに長谷川と齋藤を両方入れているところから、途中で左サイドは弄る予定か。ここでラルフがベンチにいるのは以外だが右サイド要因がいないからか。マギーニョは一体どこへ。

両チームとも押し込んで試合を進めたいので、どっちが先に仕掛けるかが楽しみ。攻撃はボランチ喜田の両脇を攻略できるかどうか。両脇は開くのでそこを使った後にサイドに展開かCB裏を狙えるか。こういう動きはノボリが得意なので、そこがキーポイントか。逆にそこがうまくいかない場合は齋藤と長谷川をドリブラーというよりクロスが上手いという理由で交代はある。ボールが運べなかったら長谷川、ゴールが攻撃の活性化も考えるなら齋藤なイメージ。

運動量が多くなりそうな試合で4-4-2にした事で大島と守田の運動量はより増えそう。強行出場とも言われている馬渡も含め怪我をしない事を願いたい。

チェックポイント

  • 2トップでタスクは整理されているか
  • ボランチ脇に侵入後にどこを攻略するか
  • 人数をかけた相手の攻撃をどこで受けるか

 

投稿者:

r812

川崎在住のソフトウェアエンジニア。 自然と映画とサッカーをこよなく愛す。 サッカーフロンターレを熱く応援しています。

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