【サッカー】リーグ20節 vs 大分トリニータ 2019/07/27 等々力陸上競技場

結果:王者の試合運びで勝利 3-1

得点:齋藤、小林、阿部

警告:無し

退場:無し

遷移:1-0 -> 1-1 -> 2-1 -> 3-1

勝点:35-> 38(気持ち勝点 43 -> 46)

評価:90点

公式記録

トラッキングデータ

レビュー

前回対戦時と同じくお互いがお互いのスタイルでぶつかる面白い試合。3-4-2-1で自陣で繋ぎながら相手を動かしロングカウンターを目指す大分と、4-2-3-1で前からプレスで相手陣地でボールを奪い早くゴールを目指す川崎。前回対戦時は川崎が前プレスをあまりしなかったがこの試合は生命線とばかりに前プレスにいく。そこに対して大分は最終ラインとボランチにGKを織り交ぜていかにかわすかをしっかり仕込んできた。それでも意地になってプレスをかける川崎だったが途中で作戦変更し、プレスラインを下げて中央をパスワークで崩すスタイルに変更。中央の完全な崩しから齋藤が先制。その後大分らしいカウンターで失点。しかし、その後は地力の差を見せ始め相手のミスをも逃さず憲剛がパスカットから小林にアシストし決勝点。最後は個の質だけでソンリョンのロングボールをダミアンが相手に囲まれながらキープし阿部にアシストし追加点という崩しなんていらない理不尽サッカーを見せつけた。スコアほどの差はないが、両チームの地力の差が明確にでた結果であった。ただ、最後まで自分たちのスタイルを崩さず、前回対戦より明らかに成長していた大分はとても良いチームであった事は忘れてはならない。

ピックアップ

・中央を崩した攻撃

この試合は鬼木監督の得点パターンである前プレスからのカウンターがハマらず引き分けになりそうな展開であった。理由は3バックベースのチーム相手にボールをつないで崩して点を取る事ができないからだ。この問題に昨年はとにかく人数をかけて解こうとして失敗し、今年はバランス良くプレースペースを意識する事で可能性を探っているようにみえる。今までの試合では早めのクロスを使う事で中央とサイドからボールを入れてスペースを作っていたが、この試合では中央のパス回しで崩せすという新しい姿を見せてくれたのが嬉しい。

具体的には今までのDMF -> SH -> CF , DMF -> OMF -> SH -> CF というどこかでサイドを使うという形から、DMF -> OMF -> DMF -> CF という縦関係のワンツーでボールと人が動く事でスペースを作っていた事だ。ボールが横に動く事がなくゴールに向かってくるので相手は食いつきにくい。そこに加えてSHとOMFとDMFが頻繁にポジションを変えるため、より取り所をはっきりさせる事が出来ず、コンパクトに守っているのに後手に回ってスペースができるという見事なボール回しを見せてくれた。さらに、この攻撃のあいだ川崎は2タッチ以内にボールを手放しているのが技術のある川崎ならでは攻撃といえるだろう。ボールは汗をかかない、そしてボールは人より早い。この原則を戦術として落とし込んだ攻撃にこれからの可能性をとても感じる。

・チームとしての総合力

川崎はACLを含めた4冠の為のチーム編成をしており、いわゆる2チーム分の選手を集めた。(当たり前であるが2チームを別に作って両方強いというわけでなく、所属選手の誰がでてどの組み合わせでも強いというのが2チーム分の戦力があるという意味である。)

一方大分は的確な補強をしたとはいえ昇格組である。今年の目標はまずは残留というのが現実的なチーム編成になる。その両チームが45分間五分五分の戦いをしたが残りの45分間で違いがでたのはある意味当たり前であるし、その当たり前が出せるようになったのが今の川崎に王者の風格が出てきた証拠だと思う。大分はボランチを交代したあたりから元気がなくなり、新加入の田中は脅威となっていたが10km走りながら26回のスプリントを記録。最後までもつはずもなく徐々に圧力がなくなったのが選手層と戦術の少なさの証であるが上記の通りチーム事情的に仕方がないと思う。一方の川崎は広島戦に備え小林と碧の2人を70分ほどで交代させるも、その後圧倒的な個の力だけで相手守備を無力化し追加点。このACLでみるような得点を川崎がやるのか!と思う気持ちとこういうオプションを結果につなげられるようになったチームに成長を感じた展開であった。

ただ不安な点はDF陣。他のポジションに比べあきらかにレベル差が出来始めている。谷口ジェジのコンビはリーグ最強と言っていいレベルであるが替えが効かないレベルに到達しているのは気になる。MJの奮起に期待したい。

・成長する選手と停滞する選手

この試合では今シーズンの成長を感じる選手と停滞を感じる選手の明暗が激しかった。

成長を感じたのは齋藤、碧、下田、阿部。齋藤は組織として考えた動きを理解しており完璧な崩しのフィニッシャーになれた。碧は攻守の要として独り立ちできそうなほど全体的に伸びている。下田は受ける動きと球離れの速さ、パスの角度と狙いが完璧だった。これもつまりは齋藤と同じ組織としてどう動いてどこにボールを運ぶかがわかっているからであり、この試合1番の驚きだった。阿部は成長というかやはりレベルが高い選手であり、中に入るタイミングとサイドにいるタイミングが絶妙で家長がサイドで出た試合とのボールの流れ具合の違いが顕著だった。

停滞を感じる選手は家長、車屋、ノボリ、守田である。家長は昨年のMVPであるが昨年のサッカーを成功と捉えていないチームにおいて今年のリズムについてきていない印象である。個の力はあるがブロックを敷いた相手には組織力なのでそこの部分をどうするのか気になる。車屋は相変わらず守備はよいが組織的な攻撃が苦手。特に短いパスを使った展開についていけていない。あまり上がらないSBとするかジェジの控えCBとして走れるCBにしたほうが良い気がする。ロングボールの精度は高いので後ろからゲームを作る方が似合う。ノボリは右足が使えなすぎる問題と一対一が脆い問題が解決出来ていない。左SBではボールを相手に隠して持てるのとクロスもあげやすいので攻撃は問題ないが、右サイドだとボールを晒して持つ事がイマイチなのと右足でクロスもシュートも打てないのが厳しい。その点では車屋の方が上。けど組織的な機能性でノボリを超える選手はいないのでこの部分をどこまで伸ばせるかに期待したい。最後は守田である。駆け足で成長してきた若者は色々考えすぎているのか全てのプレーが普通の選手になっている。ボール奪取のところは良いがポジショニングもパスの出し先もパスを出すまでの思考時間も悪い。上昇志向なので大島のプレーを盗もうとしているのかもしれないが、背番号10のプレーはそうそう盗めない。そうしてもがいているうちに下だと思っていた碧が急成長してしまい焦っている感じがすごくする。本来の自分ができるところと自分ができないところを理解した上でプレーするところに立ち戻ってから次のステップを考えて欲しい。頑張れ。

ライブ

15分

3-4-2-1と4-2-3-1両チームが得意とする形同士の力勝負。憲剛中心に積極的に前ハメ。後ろはCBが残る事でリスク管理。下田田中のボランチが良い。阿部のポジションどりも良い。押し気味の立ち上がり。ただ一瞬で状況変えるチームなので先制点取りたい。憲剛谷口のパススピード早め。 #frontale

30分

飛ばし気味の川崎がペースダウン。大分は立ち上がりの展開にめげる事なく幅を取りGK入れて人数もかけたビルドアップを自信満々に展開。守備もしっかりブロックを作って川崎を進ませず。攻撃はサイド突破から活路を。完全に大分のターン。負けるな。 #frontale

45分

飲水タイムを経て互いのスタイルがより鮮明に。相手を動かすパスワークが出せない展開で外を使う意識が減りより守りやすい展開へ。とは言え過剰に人を集めてる訳では無いので可能性はある。ただ両サイド共サイドバックの援護がないので迫力が無いのが気になる。憲剛はやる気満々。 #frontale

60分

メンバー交代無く後半開始。前半から続けていた中での縦関係を使った崩しから斎藤が先制弾。しかしその後は大分のロングカウンターをきっちり食らって同点。基礎力を上げてきた川崎と対川崎を準備した大分のように見える。どっちが上回るか。盛り上がる展開。 #frontale

75分

相手のパスをカットした憲剛から小林へのアシストで勝ち越し。若干オープンな展開になりスコアが動きそうな空気。連戦に向けて田中と小林が交代。最近良いところのない守田は今の所イマイチ。ダミアンは遮二無二プレスに行かなくなったのは良い。この空気で何となく点とりたい。 #frontale

90分

憲剛を家長と交代してクロージングに。齋藤が足がつって左サイドが元気無くなるなかソンリョンのロングキックを相手に囲まれながらダミアンが胸トラップし阿部へのアシストで追加点。戦術的に頑張ってる大分に繊細さも何もないパワーで点が取れるのが今年のオプション。ホーム3勝目。#frontale

プレビュー

前回対戦では貫禄の勝利を挙げた川崎。ただその後も昇格組として失速していない大分が強敵なのは間違いない。前回は大分の自分に引き込んでからのロングカウンター戦術を逆手にとって相手の深くまで攻め込まず、相手が焦れて攻撃に転じたところを狙い打ったがこの試合ではどうするか。最近の大分の成績を見るとロングカウンターの数は減り、自陣でのボール保持率が高くなっている。しかし得点は減っておらず、より精度を増した感がある。一方の川崎もクラシコでらしさを取り戻し、チェルシーに勝ちに行って勝利をした事で流れは良い。14戦無敗に加え組織力の向上もあり前回よりも強くなったことは間違いない。

気がかりなのは自分たちのスタイルで前に出すぎると、相手の思う壺になるかもしれないところ。前回はそこを回避して勝利したが、この試合ではどうするか。自分のスタイルで押し切るのも良いと思うのと、押し込まなかった時に前回は策がなかった大分がどうするのかにも興味がある。

そんなチームをコントロールするのは中村憲剛。彼が相手をどう見て、どうゲームを動かすのか。今から楽しみでしょうがない。ゲームコントロールを堪能したい。

参考:
【サッカー】リーグ13節 vs 大分トリニータ 2019/05/26 昭和電工ドーム大分

投稿者:

r812

川崎在住のソフトウェアエンジニア。 自然と映画とサッカーをこよなく愛す。 サッカーフロンターレを熱く応援しています。

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