【サッカー】2019 Frontale Game Plan A,B,C 2019/06/11

2018年まではほぼ一つのスタイルで戦い続けていた川崎だが2019年は複数のスタイルを使い分けて戦っている。現在のスタイルをPlan A, B, Cとして簡単にまとめておく。

まとめ:どのPlanも攻撃的、これが鬼木イズムか

本気でACLやカップ戦を取りに行くのに従来の川崎のスタイルだけだとやはり厳しい。ほぼ全員が参加する組織的なサッカーは魅力的で強力だが、主力が怪我をした場合や対策された場合に機能不全に陥る欠点があるからだ。その対策として生まれたPlan Bが受け身でなくあくまで主体的なサッカーをしているところが急造でなくしっかり作り込んでいる事を示している。さらにPlan Aにしてもエウソンや家長といった特殊な能力を持つ選手に依存していた去年までのモデルとは変化を加える事で誰が出ても機能するようにマイナーチェンジしているのは流石。Plan Cは従来もやっていたが縦パスを入れないという謎の行動が多かったのを改善したのが素晴らしい。これからの試合でどんな進化を遂げるのか楽しみなチームである。

Plan A:王道の川崎スタイル「内容も勝点も得る」

配置:4-2-3-1

目的:ボールを保持し相手コートに押し込んで主体的なゲームをする

目標:勝点3を目指す(目標勝点期待値:2.2)

最高:圧倒的なボール保持と前からプレスで相手にプレーをさせず完勝

最悪:何をしたいのかわからないまま終わる内容も勝点もない悲惨な結果

特徴:高い技術と全員連携から生まれる主体的で攻撃的なサッカー

風間元監督を招聘した時から始まり鬼木監督によりタイトルという結果にたどり着いた川崎スタイル。技術力と想像力で魅せる攻撃的なサッカーでありながら90分集中力を欠かさない前からのプレスで、ボール保持時も非保持時も常に攻撃を狙う魅力的なサッカーである。ただ、チームの意思統一ができていないと穴ができやすかったり、簡単なパスミスが恐ろしいカウンターにつながる事もある。完成した暁には相手を圧倒し何もさせずに完勝する力がある一方、川崎に移籍した選手がなかなか試合に出れない最大の理由でもある。2018年までの家長やエウソンという特殊な能力を持つ選手に攻撃を委ねていたスタイルから全体のバランス調整を行い、スペースを大事にし今ピッチいる選手が得意なプレーが出るように試合中に戦術を柔軟に変えているのが進化ポイント。誰かに委ねるくらいなら潔くPlan Bに移行できるようになったのも影響していると思う。家長をボランチに下げたPlan AとPlan Bのハイブリッド版も存在する。

Plan B:困った時の分業制「内容より勝点を目指す」

配置:4-4-2

目的:強固な守備と隙を狙った強力なカウンター

目標:勝点1の確定からの勝点3を目指す(目標勝点期待値:1.8)

最高:相手に攻めさせておいてのクリーンシート+複数得点

最悪:攻撃を捨ててゴール前を固めたのに失点し勝点0

特徴:役割を明確にした、流れがつかめなくても負けないサッカー

あくまでもメインはPlan Aであるが、完成までに時間がかかる事と割り切ったサッカーが出来ない欠点を解決するために使われている分業制の負けないサッカー。主力の怪我や新加入選手がまだPlan Aに馴染めていない時や相手がPlan Aの対策をしっかりしてきた場合、もしくは格上相手に泥臭くても勝点を取りたい時などとにかく勝点にこだわるサッカー。Plan Aだと守備的に行くと受け身の時間が増えすぎて前への推進力を失うが、ボールを止める仕事、ボールをつなぐ仕事、ゴールを決める仕事と役割を明確にする事でチームの意識が多少ばらけても崩れないのが特徴。全体でハメに行くことがメインのPlan Aと違い相手にボールを持たれても慌てることなくゲームを進められるだけでなく、昨今増えたボールを保持したいチームに対してあえてボールを持たせるような形も見せており、昨年までで自分たちがやられて嫌だった事をちゃんと血肉にしてて良い。受け身のサッカーでなくあくまでも主導権は握ったままの主体的なサッカーと言える。(鹿島スタイルともいう)

またPlan Aに比べてタスクが大幅に減る事で頭が疲れた選手やなかなか試合に入れない選手にとっていいリハビリになり、試合をしながらチームコンディションを整えられるのもメリットだろう。ポストエウソン時代を模索中の右サイドを試すのにもちょうど良い。組織的な守備に難のあるダミアンという強力な武器を昨年までだとフィットする夏ぐらいまで使えなかったがPlan Bのツートップにする事で早くから試す事ができ成果を収めているのはナイスマネジメントだと思う。あと車屋右サイドという新たなオプションも観れて楽しい(がこのオプションはACLでみたかった…)。

個人的にはPlan Bが成り立っているのは組織で守りきっていた去年と違い個人で守りきれるようになったCB陣の成長だと思う。谷口を中心に最後の最後で跳ね返す力やプレーをさせない威圧感が出てきた事で分業してても安定感がある試合ができている。去年までの前からのプレスが全然はまらないと最後までいかれてしまうシーンが減ったのとボランチ陣が過労死枠じゃなくなったのは純粋に後ろの守備力向上の賜物だと思う。ビルドアップもできる事も重要なポイント。

Plan C:組織を捨てて個人技で「勝点0を1に勝点1を3に」

配置:4-1-2-3

目的:FWの力を信じたロングボールからの個人技による得点

目標:勝点を得る(目標勝点期待値:1.0)

最悪:ロングボールを蹴れずバランス崩れて痛恨の失点

特徴:中盤を捨てた強引に得点を取りに行くサッカー

ほとんど見る事はないが負けている最終盤に見せる所謂パワープレー。昨年まではCBも上げた割に中盤がロングボールを蹴れず、何がしたいのかわからないまま終わっていたスタイルでもある。今年はダミアン、小林、知念と強力なFWに加えて攻撃力のある2列目も揃っている上にリーグ屈指のキック力を持つ谷口とロングボールを蹴れるようになった奈良やMJなどCB陣が全員精度の高いロングボールを蹴れるの事で、キッカーはCBに任せて中盤も含めて前に上がれるのが強力。そしてCBが上がらなくていいので攻撃が失敗してカウンターを食らっても後ろの彼らがしっかり止めてくれる事で、守ると攻めるの切り替え時間を最小限にして連続攻撃できるのが売りだろう。強引な形であるが相手を押し込むことができる可能性のあるのが今までにないオプションとなっている。やけくそに近かったパワープレーにも手を入れてくるあたりが鬼木さんのこだわりか。とはいえこの形を見る事なくしっかり勝点3をとれる試合運びに期待したい。

参考:
【サッカー】鬼木監督の守備構築3年計画

投稿者:

r812

川崎在住のソフトウェアエンジニア。 自然と映画とサッカーをこよなく愛す。 サッカーフロンターレを熱く応援しています。

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